ザ・ストーリー(ダイレクト出版)を読んで。深みのあるストーリー作りのために絶対必要なこと:下町ロケットからも学ぶ。
深みのあるストーリー作りのためには、インサイティング・インシデントが必要である。
インサイティング・インシデントとは何か?
簡単に言うと、発端となる大きな出来事のこと。このインサイティング・インシデントが、ストーリーを魅力的にし、深みを持たせ、その後、例えば映画であればずっと椅子に座り続けなければならないような状況を創り出す。
このインサイティング・インシデントはデザインをすることができる。
そのデザインの仕方の全てが載っている。。。というのがこの、ザ・ストーリーのスゴイところである。
そのデザインの根底にあるのは、やはり人間の欲求の部分。
現代広告の心理技術101にも書いてあったこと。
人は安定を求める。
だからインサイティング・インシデントでバランスを崩し、ある出来事によって人生のバランスが失われ、良いほう、または悪い方に傾く。
意識的か、無意識か、バランスを回復するために欲求が生まれ、その欲求を満たすとバランスが回復する。
その欲求を求めて、旅に出て、敵対者と戦う。
だが、目的を果たせるかどうかは分からない。
ストーリーとは何か?を短く説明するとこんな感じらしい。
優れたストーリーにはこの要素が入っている、、、
ということを、スワイプファイルを思い出すと、そうだなーと思う。
このストーリーが入ってないといけないよ、ってことと、インサイティングインシデントでストーリーを動かす発端を作らないといけないということを、下町ロケットで例えて会社でレビューしたことがあった。
超ざっくり言うと、下町ロケットの入りのストーリーは、、、
大規模プロジェクトの失敗 → 夢ついえる → 研究者の道をあきらめ、仕方なく父の跡を継ぎ中小企業の2代目になり、様々な問題に直面。。。みたいな。
この入りがとても秀逸で、最初にインサイティングインシデントが起きていて、とにかく、冒頭に、「え!?何それ!?」って状況を創り出している。
そして、辛い失敗体験で感情が動かされる。
スーパーコピーライターの寺本さんはよく小説も読んでおられるということで、たまに小説も読んで勉強するようにしています。
ザ・ストーリー (著者:ロバート・マッキー)